ワキガ治療に「ミラドライ」が使われるようになったのは、日本では2010年からのようです。
これまで一般的におこなわれてきた術式、「剪除法」「吸引法」「皮下組織切除法」「超音波法」と比べると、「ミラドライ」は身体的な負担が少なく、術後の回復が早いのが特徴です。
ミラドライの主な特徴として、つぎのような点があげられます。
- 傷痕が残らない
- ワキガや多汗症に対して半永続的に効果がある
- 日常生活が制限されない
- ダウンタイムが無い !?
治療にメスを使わないので、ダウンタイム(体が元の状態に戻るまでの時間)は無い、と説明するクリニックがあるぐらい体に負担がありません。
ワキガの治療をするかしないか、迷っている方の理由のほとんどは、治療にともなう術後の痛みや副作用ですが、ミラドライによる治療ではそのような心配がありません。
メスを入れないでどうやって汗腺を破壊するの?と思うかもしれません。
汗腺を破壊するのに使うのは、メスではなくマイクロウェーブ(電磁波)。そう、電子レンジで調理するときのマイクロウェーブです。
「ミラドライ」マイクロウェーブで汗腺を破壊!
マイクロウェーブは、電子レンジと同じ仕組みで「アポクリン腺」「エクリン腺」の二種類の汗腺を破壊します。
「ミラドライ」に使われるマイクロウェーブは、電子レンジで使われるものと周波数が異なりますが、水分に反応して熱を発生する原理は同じです。もちろん、体に安全な周波数を使っています。
「ミラドライ」では、ワキガ臭の原因になる「アポクリン腺」、汗の原因になる「エクリン腺」の両方を破壊しますから、ワキガ・多汗症の両方に効果があります。
「ボトックス注射」と「ミラドライ」の違いは?
「ボトックス注射」もダウンタイムが無い治療法ですが、効果は半年程度しか続きません。
「ボトックス注射」は、多汗症、とくにわき汗が多い時におこなわれる治療法で、ボツリヌス毒素製剤をわきの下に注射して、エクリン腺の働きをおさえることで、発汗量を減らします。
<治療時の痛み>
「ボトックス注射」は、施術前に痛みを軽減するために、2~3分ワキを冷やします。
「ミラドライ」は、局所麻酔をおこなって施術しますので痛みはありませんが、術後、肌が腫れたり荒れることがあるようです。ただし一過性のものなので、傷痕が残ることはありません。
<運動制限>
「ボトックス注射」は数分で終わり、激しい運動などの制限は当日だけ。あとは通常と同じように生活できます。
「ミラドライ」も、当日の運動や入浴が制限されるだけですから、ボトックス注射とほぼ同じと考えていいでしょう。
<治療費用>
「ボトックス注射」の費用は、程度により5万円前後~10万円程度かかりますが、重度の原発性腋窩多汗症の場合、保険適用になります。
「ボトックス注射」肉体的にも精神的にも負担が少ないですが、自己負担で半年ごとに治療を受けるとした場合、長期的にみると費用負担が大きくなります。
「ミラドライ」の1回の治療費は、20万円前後~30万円前後かかりますが、ワキガや多汗症の悩みから半永続的に開放されることを考えると決して高い治療とは言えないでしょう。
「ミラドライ」+「デオドラントクリーム」
「ミラドライ」の治療で汗腺を破壊できるのは、1回の治療で約70%、2回の治療で約90%と言われます。
もともと発汗作用は、体温調節のための重要な生理作用ですから、100%発汗を止める必要もないわけです。
実際に「ミラドライ」の治療を受けた方の体験では、1回の治療での体感はやはり70%ぐらい汗が抑えられ、同時にワキガの臭いも和らいだそうです。
「ミラドライ」について、2回目の治療を受ける予定は無いとのこと。
日常生活では、気になるときに市販のデオドラントクリームを使っているようです。
強いワキガや重度の多汗症の方は、制汗剤やデオドラントクリームを使っても通常の人と同じように効果を実感することができません。
でも、「ミラドライ」の治療後なら、デオドラントクリームの効果を実感できそうです。