わきが手術のリスク
手術方法はいろいろありますが、根本的に解決しようと思えば、術後しばらくは痛みやつっぱり感などが残ります。キズ痕を見せないために、ノースリーブを着ることができなくなる方も・・・。
手術を受けた方のコメントでも、評価はさまざまです。「手術してワキガの臭いがしなくなった」「手術してよかった」という意見がある一方で、次のような意見もあります。
「手術した痕が突っ張る」
「運動がするのしばらく怖い」
「傷口が1年ぐらい痒くて痛い」
「傷痕が残るので脇を見せられない」
外見的な後遺症が残ったとしても、手術を受けてよかったという方もいますので、ワキガ手術の善し悪しについて簡単に評価することはできません。
若い女性であれば、術後の外見を無視するわけにはいかないでしょうから・・・。
ワキガ手術の方法
どんな手術法があるのか、オーソドックスなものから最新のものまで、主な術式を簡単に紹介します。
◎アポクリン腺の切除
・脇の下のわき毛が生えている部分の皮膚を根こそぎ切り取ります。以前は主流でしたが、切除範囲が広範囲になる場合があること、後遺症のリスクもあることから、現在はあまりおこなわれていません。
◎剪除法(せんじょほう)
・現在、主流となっている手術です。脇毛に寄り添っているアポクリン腺を直接目視で取り除きますが、結果は医師の腕にかなり左右されます。
◎吸引法
・脇の下にカニューレ(体内に挿入するパイプ状の医療器具)を挿入し、アポクリン腺を吸い出す方法で、「脂肪吸引法」の技術を<わきが>の手術に応用したものです。術後の傷が小さく、回復が早いのが特徴です。
◎皮下組織切除法
・イナバ式が有名です。ハサミの形状をした特殊な専用器具で、皮下脂肪と真皮を均一の厚さで削ります。わきが手術の方法のなかで、この方法が最も治療効果が高いと言われています。
・故 稲葉博士は、もともと東京都杉並区の産婦人科医の開業医でしたが、この治療法が認められ日本医師会から最高有功賞を受賞しました。
◎超音波法
皮膚を数センチカットし、アポクリン腺を含めた皮下組織を超音波の熱で焼いて破壊します。皮膚をカットしますから、皮膚が弱い方には向きません。
◎ミラドライ
マイクロウェーブと呼ばれる電磁波を照射して、わきがの原因となるアポクリン腺の機能を破壊する最新の治療法です。一生残るような重篤な副作用の報告はありませんが、術後の腫れや痛みなど、違和感を覚える可能性があります。
手術には必ずリスクがともなうけど・・・
どんな手術でも、必ずリスクがともないます。ワキガの手術も、もちろん例外ではありません。
術後しばらくの傷み・腫れ・痒みなどは、我慢すればいつかは和らいでいきます。事故などでケガをしても、しばらく経てば傷口も少しづつ癒えていくのと同じです。
しかし、傷痕が残ったり、突っ張る感じがいつまでも残ったりすると、普段の生活でも不自由を感じることになりかねません。
その症状は、体質や肌質によって個人差が大きいため、手術前から判断することはできません。ただ、過去にケガをしたことがあれば、その傷痕の状態で術後の結果をある程度想定することはできるでしょう。
ミラドライは最新の治療法として傷痕が残らないと言われますが、それでも次のような副作用が考えられるようです。
医師の技術レベルの差が術後の結果にあらわれる
手術をしてワキガの悩みは解消したけれども、その後のツッパリ感や痛みだけでなく、女性にとっては傷痕も心配です。
ドルマンカーデを手放せないという方もいるようです。
”傷痕”か”臭い”、どっち?
外科的手術は、医師の技術の善し悪しが大きく影響してきます。地方の病院で手術を受け、何十年も経って傷痕がほとんど目立たないという方もいれば、都市部の病院で受けて傷痕が目立つという方もいます。
すべては結果ですが、評判などをよく確かめてからワキガの手術を受けたほうがいいようです。
《医薬部外品》デオドラントクリームの効果は?
デオドラントクリームは、ワキガの手術と違い根本的な解決法ではありませんが、一定の効果期待できるのは確かです。また、ワキガ手術のように大きな副作用の心配も少ない特徴があります。
”効かない”という方もいますが、配合されている有効成分やその量が体質や肌質に合っていないということでしょう。また、医療機関で処方される薬と同じことで、100%の方に同じ効果があるわけではありません。
肌が痒くなったという話を聞くけれど
もちろん、肌や体質に合わなければ痒みや痛み、湿疹などの副作用がありますが、ひどくならないうちに直ぐに使用を中止すれば問題ありません。
よく、化粧品や衛生用品などが原因と考えられる痒みなどの症状を聞きますが、なぜ症状が悪化するまで使い続けるのか不思議に思います。なかには、高いお金を出したのでもったいないという方もいますが、とんでもない話です。
デオドラントクリームの薬効成分量は、病院で処方される薬より少ないのが一般的ですから、使用感に不満を感じる方もいるはずです。
そのような場合、専門医に相談したうえで最終的に手術を選択したほうが良いかもしれません。
”デオドラント”は効果が認められていないものには使えない
”デオドラント”という言葉は、本来、その効果が認められている【医薬部外品】の商品にしか使えません。つまり、化粧品にはデオドラント商品は無いことになります。
化粧品の目的は、”臭いを消す”のではなく、”ニオイを隠す”あるいは”ニオイをごまかす”こと。デオドラントクリームとは、本質的にその目的が違います。正しく理解して上手に使い分ける必要があります。
デオドラントと表記されている商品は、有効成分による効果に違いはあったとしても、医薬部外品である以上まったく効果が期待できないというのは間違いです。
自分の肌質や体質に合わないだけですから、いろいろ試してみるべきでしょう。もちろん、それでも効果が感じられなければ専門医に相談したうえで手術も視野にいれたほうがいいかと思います。