ミラドライは、わきが・多汗症の方にとって、最後の解決手段になるかもしれません。
わきがが軽ければ、デオドラントクリームで抑えることができますし、あまりひどい多汗症でなければ、制汗スプレーでもケアすることができます。
しかし、暑い季節に、毎日わきがと汗の両方をケアするのはとても大変です。日中に塗りなおさなければならないことも。
ミラドライは、わきが・多汗症の原因になる汗腺を、切らずに電磁波で破壊します。半永久的にわきがや多汗症の治療をおこなう方法で、こちらの専用機器『ミラドライ』を使います。
切らない手術とは言っても、物理的に汗腺を破壊するわけですから、術後しばらくは手術による痛みや腫れなどが残ります。
ミラドライの手術を実際に受けた女性の体験談から、ミラドライの効果とその後の副作用などについて、専門クリニックHPの説明内容を検証しました。
結論から言えば、ミラドライはわきが・多汗症を半永久的に治療する方法として、とても効果的な手術であると言えます。しかし、術後のダウンタイム(※)は、個人差はありますが、腫れや痛み・違和感などが完全に消えるまでには、1ヶ月程度かかると考えたほうがいいようです。
男性専用のわきが・多汗症治療「ゴリラクリニック」でも、このミラドライが使われています。
ミラドライとは
ミラドライは、アメリカの医療機器メーカーが開発したわき汗を治療するための専用機器で、メスを使わないでわきが・多汗症を治療することができます。
とはいえ、マイクロ波を照射して汗腺を破壊しますから、術後しばらくのダウンタイムは覚悟しなければなりません。
また、「ビューホット」との違いについても、若干触れておきます。
「ミラドライ」の特徴
- メスで切らないので切開痕が残らない
- 手術時間が短い
- わきが・多汗症を半永久的に治療できる
- 米国FDA・日本の厚生労働省ともに認可
ミラドライは、皮膚にメスを入れないので、合併症などリスクも少なく、傷跡が残らないのも特徴。
また、手術時間が1時間ていどで終わるだけでなく、わきが・多汗症の治療としては半永久的と言われます。
ミラドライ以外にも、わきが・多汗症の治療機器はあります。しかし現在、米国FDA・日本の厚生労働省ともに認可されている機器は、ミラドライだけのようです。※2021.1.27現在
「ミラドライ」効果とその仕組み
ミラドライは皮膚の上からマイクロウェーブを照射して、その熱でわきが・多汗症の原因である汗腺(アポクリン汗腺・エクリン汗腺)を破壊しますから、長期的に効果が持続します。
ミラドライは、つぎのようなメカニズムで汗腺を破壊します。
引用:ボンボンクリニックHP
仕組み1
ミラドライで、わきが・多汗症の原因となる汗腺(エクリン腺・アポクリン腺)が集中している層へ、マイクロウェーブをターゲット照射します。
引用:ボンボンクリニックHP
仕組み2
マイクロウェーブは、汗腺が多く集まる皮下脂肪層と真皮の境目周辺で熱エネルギー変換され、この熱エネルギーが汗腺の機能を破壊します。
引用:ボンボンクリニックHP
仕組み3
ハイドロセラミック・クーリングにより、表皮から真皮にかけ冷却していきます。
この冷却により、表皮部分を熱から保護しながら照射することができ、 マイクロ波がより汗腺の存在するエリアに集中しやすくなります。
ミラドライでは、表皮から真皮を冷却しながら照射するため、抵抗が少なくなり、エネルギーがより深くまで到達します。また、脂肪層より深部への著しいダメージがないのが特徴です。
「ミラドライ」施術フロー
一般的なミラドライのフローは、以下のようになります。
- カウンセリング予約
ーインターネット、または電話で、不安な点や悩みなどの質問を受付けています。 - カウンセリング
ー予約した日に、ムダ毛の悩みやお肌の状態、体調などをうかがい、脱毛についてや施術方法について詳しく説明してもらいます。 - 施術範囲をマーキング
ー発汗する場所、わきのサイズ、体毛の位置を参考に、治療用テンプレート(位置決めマーカー)を使って、マイクロ波を照射するポイントに印をつけます。※事前にわき毛を剃っておきます。 - 麻酔
ーわきの下全体に、麻酔液を注入します。注入後5~10分待ち、麻酔が効いたのを確認してから、ミラドライ治療を始めます。 - 照射
ーミラドライを使い、マーキングシートに沿って、マイクロウェーブを照射していきます。麻酔と冷却機能によって、痛みを感じることはありません。施術時間は、両脇で約1時間です。 - 冷却
ーミラドライのマイクロウェーブの照射によって、皮下組織の内部が火傷のような状態になります。ミラドライ施術後、15分間ほど、施術箇所を冷却することで、痛みや違和感を軽減します。
「ミラドライ」と「ビューホット」の違い
ミラドライのほかに、わきが・多汗症の治療法として、韓国で開発された「ビューホット」があります。
ビューホットも、ミラドライと同様、わきが・多汗症をメスを使わずに治療することができる機器です。しかし「ビューホット」は、米国FDA・日本の厚生労働省の認可は受けていないようです。
「ミラドライ」を受けることができない方
ミラドライによりわきが・多汗症治療は、だれでも受けることができるわけではありません。
『ボンボンクリニック』では、つぎのような方は、ミラドライによる施術をお断りすることがあるとしています。
・わきに傷や炎症、腫瘍(良性含む)がある
・ステロイドを内服中
・糖尿病、膠原病、心臓疾患、出血性疾患、ケロイド体質
・感染症がある
・局所麻酔薬にアレルギーがある
・過去に乳がんの手術をしたことがある
・妊娠、授乳中(授乳中の場合、3日間ほど断乳可能の場合は施術可能です)
・電子機器を埋め込んでいる方(ペースメーカー等)
・酸素投与されている
「ミラドライ」の費用
両ワキをミラドライで施術すると、1回20万円前後の費用がかかります。自由診療なので、健康保険が使えませんから迷う方も多いかと思います。
ミラドライの施術をおこなっている2つのクリニックの料金例を紹介します。2022.6.2現在
<ゴリラクリニック>※男性専用
両ワキ1回 | 348,000円 |
両ワキ2回目 | 104,400円 |
<リアラクリニック>
両ワキ1回 | 198,000円 |
両ワキ2回セット | 352,000円 |
両ワキ1回(2回目以降) | 165,000円 |
広範囲照射 | +97,900円 |
「ミラドライ」の術後の後遺症と再発について
ミラドライでは、マイクロウェーブの照射によって、皮下組織の内部が火傷のような状態になりますので、術後のダウンタイムが、一定期間が必要になります。
専門クリニックによって、ダウンタイムの期間に若干違いはありますが、実際にミラドライを受けた女性のケースでは、術後、つぎのような経過になっています。
20代女性のミラドライ体験から
東京プラチナムクリニックで、ミラドライの施術を受けた20代女性の体験談を参考に、術後のダウンタイムについて、その経過をまとめました。※途中経過を省略しています。
症状 | 手術当日 | 2日目 | 4日目 | 7日目 | 8日目 |
痛み | 熱を持ち、ジンジンする | 走ると振動で痛むが、動かなければ気にならない | 前日より良い | 触ると痛いが、日中は気にならない | 触って痛い感じが弱まった |
腫れ | 人に見せられないほど腫れた | 腕をまっすぐ下せない | 前日より良い | 左右に残り、うまく毛を剃れない | 右脇はまだ腫れのせいで、閉じれない |
内出血 | 一部に濃い目(5cm)の内出血 | 前日と同じ | 薄いアザのようになってきた | 日に日に薄くなっている | ほとんど消えたと言っていいぐらいになった |
むくみ | 胸の横あたりにむくみ | 肘ぐらいまでひどい。胸もブラジャーをするのに不便 | 手首あたりまでパンパン | 肘より下にまだむくみ | 肘から手首にかけてむくみ |
汗 | まったく気にならない | まったく気にならない | 少し湿る程度 | 少し汗をかくようになった | 普通の人くらい |
ニオイ | 気にならない | 気にならない | 無し | 無し | 無し |
その他 | 予想以上の腫れと痛みにビックリ | 汗が気にならないから快適 | 腫れてるので脇を完全に閉める事はできない | ー | 少し痒いときがある |
症状 | 9日目 | 10日目 | 14日目 | 21日目 | 31日目 |
痛み | 触って痛い感じが弱まった | 触ると少し痛い | 押すと鈍い痛み | ほとんど無し | 無し |
腫れ | 右脇はまだ腫れのせいで、閉じれない | 右はまだ真ん中が腫れているので恥ずかしい | 右の真ん中が腫れているが、両脇とも閉じれる | 右がまだ少し腫れている | 右がまだ少し腫れている |
内出血 | ほとんど消えたと言っていいぐらいになった | ほとんどわからないぐらい消えた | 消えました | 無し | 無し |
むくみ | ほとんど感じない | 完全に無くなった | 無し | 無し | 無し |
汗 | 湿る程度の汗 | 湿る程度の汗 | 運動をしなければ、湿る程度 | 普通の人並みの汗 | 普通の人より多く出てきている |
ニオイ | 自分で気にしてみて気がつく程度のニオイ | 無し | 普通の人と同じくらいのニオイ | 気にならない | ニオイがたまに気になり、毎日制汗スプレーを使う |
その他 | ゴルフでは、服の脇の部分が湿る程度 | カミソリがうまく滑らない | 手を上に伸ばしたときに、つっぱった感じ |
実際にミラドライを受けた20代女性の体験談ですが、術後の経過がとてもよくわかります。
術後、汗の量が少しづつ普通の人と同じ程度になってきたようですが、1ヶ月経過後の状態では、手術前の7~8割ぐらいまで発汗量が減っているとのと。
普通の人とおなじぐらいの量になった喜びを、体験談のなかでも語っています。
少なくとも、わきがの原因となっていたアポクリン腺は、ミラドライによって機能を失っていますから、わきが臭は術後すぐに無くなり、その後も再発していません。
体験談からは、脇から汗が流れ出るような状況は無くなり、1ヶ月後には、普通の人とおなじようにゴルフなどを楽しむ生活を送れる喜びが伝わってきます。これは、手術費用には変えられない喜びです。
まとめ
わきがや多汗症は、日常生活に支障をきたすほどの方が少なくありません。とくに、暑い季節には、職場や仕事などでの対人関係に影響することも。
ミラドライは、わきが・多汗症の原因となる汗腺(アポクリン腺・エクリン腺)の機能を壊しますので、発汗作用による体温調節機能への影響を心配する声もあります。
しかし、間の身体には体温調節のために400万以上のアポクリン、エクリン汗腺があり、脇の下にある汗腺は、これらの2%以下なので、体温調節においては影響力が小さいとされています。
この記事で参考にした『リアラクリニック栄院』と『ボンボンクリニック』は、いつでも気軽に相談できるクリニックです。ぜひ一度、ご相談ください。