わきが臭はなぜ嫌われる？好きな異性なら・・・

他人のニオイは気になっても、自分のニオイは気になりません。

自分の体臭や口臭に鼻が慣れてしまうのがその理由ですが、自分では気づきにくいニオイだけにケアはとても難しいですね。

わきが臭は、嫌なニオイの代名詞のようになっていますが、本来、わきが臭の原因となるアポクリン腺からの汗は、異性を惹きつけるための性的な役割を果たしていたと考えられています。

犬を散歩中、出会った別の犬のおしりのニオイを嗅ぐことがあります。

犬のおしりには、肛門腺（こうもんせん）という分泌腺があり、犬によってニオイが違うそうです。相手のおしりのニオイを嗅ぐことによって、お互いを認識しているとのこと。つまり、ご挨拶？

飼い主のおしりを嗅ぐこともありますが、人間のおしりの周囲にも分泌腺があり、そのニオイを嗅いで人を認識していると言われています。

また、メスが発情期になると、ヒート（生理）が始まり、オスをひきつける尿中のフェロモンがオスの興奮を誘発します。オスには発情期は無く、発情中のメスに誘発される形になるわけですね。

犬には、フェロモンを感知する器官がありますが、人間にはフェロモンを感知する器官がありません。しかし、異性のニオイに惹かれるのは、動物としての本能と言えるでしょう。

香水に、好きな人のニオイのイメージを重ね合わせる人もいますが、好きな相手なら、かすかなわきが臭や体臭が官能的な匂いに感じられてくることがあります。

逆に、キライな人なら、たとえどんなに高級な香水も、嫌なニオイに。同じ匂いなのに、作為的ないやらしさを感じてしまうから。

わきがの歴史について、ウィキペディアには次のような記述があります。

古代中国の美女、楊貴妃が「体から良い匂いを発していた」というのは腋臭だったのではないかという逸話がある。

わきが臭は、一説には動物のフェロモンと同じような働きがあると言われますが、その所以がわかる逸話です。

美女の体からほのかに香ってくる微かなわきがの匂い、なんとなくエロチシズムを感じます。

わきが臭の原因は、アポクリン腺から出る汗に含まれる成分のニオイとする説もあるようですが、分泌される汗そのものにはニオイはほとんどないとされています。

アポクリン腺からの分泌物の他に、エクリン腺からの汗や皮脂などが混じり、それが皮膚の雑菌によって分解されるときのニオイがわきが臭の原因になります。

わきが臭は、”鉛筆の芯のニオイ” ”酸っぱいニオイ” ”ドリアンのニオイ” などとも言われ、人によってさまざまですが、単一ではありません。

嗅覚が優れた犬が個人のニオイを特定できるように、人それぞれニオイには違いがあるのです。

本来動物は、個体を識別するために各々のニオイを持っていますが、人間もそれと同じ。わきが臭は、その個体識別の役割を果たしているわけです。

アポクリン腺は、体の特定部位に多く存在しています。脇と外性器ですが、ここに生える体毛がわきが臭をさらにキツくすると言われます。

動物学的には、体毛の存在によって、わきがの原因になるアポクリン腺からの分泌物が多くとどまることで、よりニオイを発散させることができるとの説もあります。

わきが体質が少ない日本人にとって、異性を惹きつけるというわきがの大切な機能が忘れられ、スメハラなど厄介者の代名詞に置き換えられてしまったようです。

わきが臭は、スメハラの代表的なニオイとされていますが、わきが臭より耐えられないニオイはたくさんあります。

足裏の臭い、朝起きたときの口臭。何日も風呂に入っていない体臭。生乾きの洗たく物の臭い。清潔感がないこれらの臭い、ちょっと我慢できない。

これらの臭いと比べたら、わきが臭は本質的にイヤなニオイではありませんが、だれのわきがでも我慢できる、というわけではありません。

好きな異性のわきがだからこそ香しく感じられるわけで、嫌いな相手や上司の強いわきがは、やはり耐えられないでしょう。

そう考えると、わきがはスメハラの原因とみなさざるを得ません。

わきがに悩んでいる方は多いですが、まず衣類などを清潔にして他のニオイの原因を抑え、他人に不快感を与えない程度に適度なケアをすることがポイントでしはないでしょうか。

自分のわきが臭が、少しキツイかなと感じたら、皮膚に過度の負担を与えない程度にケアしてみてはいかがでしょう。