体臭は、部位や発生原因によってさまざまなニオイがありますが、ケアが難しいのが、体中から発散されるアンモニア臭。
アンモニア臭は、全身から漂ってくるため、わきが臭や足臭のようにデオドラントで部分的なケアではおさえることができません。
男女の性別に関係なく発生する臭気ですが、女性の場合、更年期のホルモンの減少がアンモニア臭の発生と関係しているともいわれます。
アンモニア臭が発生する理由を知れば、正しいケアの方法を知ることができます。
アンモニア臭の発生原因
アンモニアは、タンパク質が分解されるときにつくられる有害な成分ですが、このまま体外に排出されるわけではありません。
体内でつくられたアンモニアは、肝臓で無害な尿素につくりかえられ、血液によって腎臓へ運ばれます。尿素は、腎臓でろ過されて尿として排出されます。
しかし、疲労やストレス、飲酒、肥満などによって、肝臓の働きが衰えてくると、アンモニアを分解して尿素にすることができなくなり、アンモニアがそのまま汗と一緒に排出されることになります。
アンモニア臭が「疲労臭」と呼ばれるのは、疲労やストレスによって肝臓の機能が低下することによって発生するガスだからです。
また、便秘をしていると、排出されずに腸内に溜まっている便がアンモニアを発生させると考えられているようです。
女性ホルモンの変化がアンモニア臭の原因に
アンモニア臭は、男性よりも女性のほうが気になるといわれます。
アンモニアが香水や化粧品のニオイと混じることで独特の臭気になることが理由の一つですが、女性ホルモンの変化もアンモニア臭の原因になるようです。
40歳を過ぎて更年期になると、女性ホルモンの分泌量が減少し男性ホルモンの分泌量が増えるようになります。ホルモンバランスの変化によって自律神経が乱れることが、更年期特有のニオイにつながります。
更年期には、頭痛や肩こり、疲れやすくなるなどの身体的な症状とともに、精神的ストレスによるイライラや不眠などが生じます。これが、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュなどによる汗臭、慢性的な疲労や精神的ストレスによる疲労臭(アンモニア臭)の原因になります。
アンモニア臭は、ニオイだけの問題ではなく、肝臓や腎臓の病気による可能性もありますから注意が必要です。
アンモニア臭(疲労臭)を抑えるための対策
身体的な疲労や精神的なストレスから生じるアンモニア臭(疲労臭)をおさえるには、まず食生活と生活習慣から見直しましょう。
- 肉にかたよらずバランスの良い食事を摂る
- 腸内環境をととのえ便秘を予防する
- 睡眠を十分とり規則正しい生活を心がける
- 運動は適度におこなう
- 精神的ストレスを溜めない
カラダの疲れや精神的なストレスによって肝臓の機能が低下すると、処理できなくなったアンモニアが血流によって全身にはこばれ、汗といっしょに発散されます。
激しい運動のあと、尿のようなアンモニア臭が体中からただよってきたら、カラダを休める合図です。
腸内環境を整えてアンモニア臭をおさえる
アンモニア臭への対策には、発汗量が多い部位への制汗剤の使用も有効ですが、カラダの内側からのケアが重要なポイントになります。
その一つが、ビフィズス菌。
大腸の善玉菌の大部分はビフィズス菌ですが、このはたらきが衰えると腸内のフローラバランスがくずれ、腸内環境の悪化により、アンモニア臭の原因になる便秘などが起こりやすくなります。
ビフィズス菌が入ったヨーグルトやサプリメントで、腸内の善玉菌をおぎなうのも一つの方法です。
また、ビフィズス菌を増やすと言われているのが、食物繊維とオリゴ糖。どちらも小腸では消化されず、大腸でビフィズス菌のエサになるようです。
シャンピニオンエキスは、口臭や体臭予防の成分として知られていますが、腸内環境をととのえるはたらきもあるようです。
アンモニア臭が気になる、便秘ぎみ。そんなときは、ビフィズス菌を直接おぎなうか、食物繊維、オリゴ糖、シャンピニオンエキスなどが入ったサプリメントを試してみるとよいでしょう。
まとめ
アンモニア臭は、自分ではなかなか気づきにくく、全身から発散されるためケアがむずかしい体臭の一つです。
疲労臭とも言われるように、カラダが疲れているときや精神的なストレスが溜まっているときなどに発生しますので、食生活や生活習慣の見なおしがポイント!
また、アンモニアは汗とともに発散されますから、部位によって発汗量が多い方は、制汗剤をあわせて使うのも効果的です。
とくに女性の場合、更年期のホルモンバランスの変化による体調の変化や精神的ストレスが、アンモニア臭の原因になることがあります。
まずは、身体を休め、ストレスをためないような生活習慣を心がけ、腸内環境をととのえるサプリメントなどをじょうずに活用してみてはいかがでしょう。