足のニオイ、とくに足裏のニオイは他人には知られたくない悩みです。
冬、居酒屋の小上がりで鍋を囲んで一杯なんて話になると、”靴を脱ぐのかも・・・”なんて不安が頭をよぎります。
その悪臭の元凶が、「イソ吉草酸」。重曹が効くとの話もありますが・・・。
あらかじめスケジュールにはいっていれば、事前準備もできますが、突然だと”今日は用事があるので・・・”などの理由をつけて断ることも。
生理的な発汗作用なので、根本的な解決は難しいですが、直前でもケアできる方法など、改善策はいろいろありますから、上手にケアすれば、快適な日常生活を送ることができるようになります。
足のニオイ対策として重曹がよく話題にのぼりますが、本当に効くのか、ニオイの原因などを探りながら、他の解決策もあわせて紹介します。
「イソ吉草酸」対策だけで十分なの?
「足のニオイ対策」重曹が効くと言われるけど・・・なぜ?
足のニオイには、重曹が効くと言われますが、どうして重曹が足裏のニオイにケアするのでしょう。
ニオイの原因と発生のメカニズムを知ることで、足のニオイのケアが理解しやすくなります。特に、寒い季節は、座敷に上がる機会も多くなるので、要注意!
足のニオイの正体「イソ吉草酸」とは?
足の裏特有のニオイの正体は、「イソ吉草酸」という成分です。
イソ吉草酸は、蒸れた靴下のようなニオイ成分で、アンモニアや硫化水素などとともに、環境省から特定悪臭物質として、濃度規制の対象となっている成分です。
といっても、「悪臭防止法」という工場、事業場から排出される悪臭の防止が目的の法律によるもので、個人を対象にしているわけではありません。
しかし、言い換えれば、それほどニオイが強烈で、周囲に迷惑をかけるということです。
事務所や会議などでも、突然、強烈なニオイが鼻をついてくるときがあります。周囲を見回すと、靴を脱いで素足の男性が・・・。本人も気持ち悪いのだと思いますが、とてもじゃないですが、そのまま席にじっと座っていられません。
座席を変えることができなければ、パワハラより厳しい!
「イソ吉草酸」発生のメカニズム
イソ吉草酸は、足の汗が原因と言われますが、汗そのものが臭うわけではありません。
足のニオイを研究しているロート製薬のHPによれば、皮膚の常在菌がアミノ酸や皮膚の角層を分解することで、イソ吉草酸が発生すると考えられています。
※ロート製薬HPから引用
ここでの注目ポイントは、”皮膚常在菌を加えて培養”したことです。さらに、「表皮ブドウ球菌」を加えた実験で、イソ吉草酸が発生している点です。
どうやら、イソ吉草酸は、表皮ブドウ球菌がアミノ酸や皮膚の角質層を分解して発生すると考えることができそうです。
皮膚の常在菌「表皮ブドウ球菌」とは?
少し説明が難しくなってきましたが、とても大事なところなので、ちょっと辛抱してください。
イソ吉草酸を発生するのは、いろいろな皮膚の常在菌のうち「表皮ブドウ球菌」ですが、表皮ブドウ球菌は、他の常在菌とのバランスをとって、皮膚を弱酸性に保つ働きをしています。
このバランスがくずれると、他の細菌の働きによって、水虫などさまざまな皮膚トラブルの原因になることがわかっています。
重曹は「表皮ブドウ球菌」にどう働く?ケア法は?
重曹は、イソ吉草酸を発生させる「表皮ブドウ球菌」を殺菌するわけではありません。
弱アルカリ性である重曹が、酸性のイソ吉草酸を中和することで、足のニオイが緩和すると言われています。
<重曹によるケア法>
洗面器にお湯を入れ、重曹を大さじ1~3杯程度入れます。肌が弱い方は、重曹を少なめにして、10~15分程度、足湯します。
足のニオイのケアだけでなく、足湯としても気持ちが良いですが、肌質によっては刺激になるので注意が必要です。
靴の履き方を見直して足のニオイを改善!
足裏は、他の部位と比べて汗腺の数が多く、1日にかく足裏の汗の量はコップ1杯分と言われます。
さらに、靴の中は、汗で湿った空気の逃げ場がないので、足のニオイは他の部位と比べてきつくなりますが、靴の履き方を工夫するだけでかなり改善することができます。
- 同じ靴を2日続けて履かない
- ブーツはなるべく履かない
- オフィスでは靴を履き替える
- 靴専用の除湿剤を使う
ブーツは、オシャレに欠かせないアイテムですが、足のニオイを考えたら最悪の環境です。足の汗の量が多い方は、できるだけブーツを履くのは避けたほうがいいかもしれません。
デオドラントは足のニオイに使える?
足のニオイのケアには、【薬用】のデオドラントを使うのも効果的です。
通常、デオドラントはワキガ用として開発されていますが、薬用成分として「殺菌成分」と「制汗成分」の両方を配合しています。
ワキガ臭の元を作り出す細菌の繁殖を抑えるだけではく、同時に発汗量を抑えてワキガにケアしますが、足のニオイについても同じように効果が期待できます。
<デオドラントのおもな有効成分>
- パラフェノールスルフォン酸亜鉛
・制汗成分として発汗を抑えます。 - イソプロピルメチルフェノール
・殺菌成分として雑菌の繁殖を抑えます。
デオドラントには、この2つの有効成分以外にも、さまざまな成分が配合され、商品の独自性と使用感のもとになっています。
ワキガを目的として開発されていますが、目の周りや粘膜などのデリケートな部位以外であれば、全身に使えるので、バッグに1本しのばせておけば、いざというときにも安心です。
そんな足のニオイにも使えるデオドラントのなかで、「クリアネオ」は、デザイン的にも持ちやすく、子供でも使えるのが人気になっているようです。
まとめ
足のニオイは、体温調節機能としての発汗作用がある以上、完全に無くすことはできません。
制汗剤のなかには、制汗効果が1週間ぐらい持続することをうたっている商品もあります。しかし、汗腺には大事な体温調整の役割がありますから、長期間止めてしまうの健康的にも不安です。
【薬用】クリアネオにかぎらず、デオドラントの多くは制汗効果が1日保つように設計されています。そして、正しく使うことで、その効果を発揮することができます。
また、配合成分によっては、肌に合わないこともありますから、メーカーの注意書きなどをよく読んでから使用していただきたいと思います。